電気自動車は本当に安い?10年間の総額で比較してみた
「EVはガソリン代がかからないからお得!」
テレビやSNSでは、このような話をよく耳にします。しかし、本当にそうでしょうか。
車を購入するときに重要なのは、年間の維持費だけではありません。購入してから売却するまでにかかるトータルコストで判断することが大切です。
今回は、以下の費用を含めて電気自動車(EV)とガソリン車を比較してみます。
- 車両購入費
- 燃料代・充電代
- 税金
- 車検・メンテナンス費用
- 売却時のリセールバリュー
結論から言うと、乗り方によって、お得な車は変わります。
比較条件
今回は一般的なファミリーカーを想定しました。
ガソリン車
- 車両価格:250万円
- 燃費:18km/L
電気自動車(EV)
- 車両価格:420万円
- 電費:6km/kWh
共通条件
- 年間走行距離:10,000km
- 所有期間:10年間
① 購入価格はEVが約170万円高い
最初に大きな違いとなるのが車両価格です。
| 項目 | ガソリン車 | EV |
|---|---|---|
| 車両価格 | 250万円 | 420万円 |
EVには補助金制度がありますが、それを利用しても一般的にはガソリン車より高額です。
差額:約170万円
この差額を維持費だけで取り戻せるかがポイントになります。
② 燃料代はEVが圧倒的に有利
年間10,000km走行した場合の燃料代を比較します。
ガソリン車
- 燃費:18km/L
- ガソリン価格:180円/L
年間燃料代
約10万円
EV
- 電費:6km/kWh
- 電気料金:35円/kWh(家庭充電)
年間充電代
約5.8万円
つまり、
年間約4万円の節約
10年間では、
約40万円の差になります。
しかし、購入価格との差170万円を埋めるには届きません。
③ 税金はEVがやや有利
EVは自動車税などで優遇される場合があります。
年間で約1〜2万円程度安くなるケースが多く、
10年間では
約15万円前後
の差になります。
④ メンテナンス費用もEVが有利
EVにはエンジンがありません。
そのため、
- エンジンオイル交換
- オイルフィルター交換
- プラグ交換
- タイミングベルト交換
などが不要です。
年間では約1〜2万円程度安くなるケースが多く、
10年間では
約15万円程度
節約できる可能性があります。
⑤ 車検費用は思ったほど変わらない
「EVは車検が安い」と思われがちですが、実際には大きな差はありません。
共通して必要になるもの
- ブレーキ整備
- ブレーキフルード交換
- タイヤ交換
- サスペンション点検
などはガソリン車もEVも同じです。
10年間で見ると、
差は数万円程度になることが多いでしょう。
⑥ 最大のポイントはリセールバリュー
購入時だけではなく、売却時の価格も重要です。
例えば、
ガソリン車
購入価格:250万円
↓
10年後:50万円
減価額:200万円
EV
購入価格:420万円
↓
10年後:80万円
減価額:340万円
購入価格が高い分、資産価値の下落額も大きくなる可能性があります。
ただし、人気車種やバッテリー性能が高く評価されれば、高値で売却できるケースもあります。
10年間の総コスト比較
| 項目 | ガソリン車 | EV |
|---|---|---|
| 購入価格 | 250万円 | 420万円 |
| 燃料・充電代 | 100万円 | 58万円 |
| 税金 | 35万円 | 20万円 |
| メンテナンス | 30万円 | 15万円 |
| 売却価格 | -50万円 | -80万円 |
| 総コスト | 約365万円 | 約433万円 |
※試算条件によって変動します。
EVがおすすめの人
次のような方はEVとの相性が良いでしょう。
- 年間走行距離が多い
- 毎日通勤で長距離を走る
- 自宅に充電設備がある
- 夜間の安い電気料金を利用できる
- 静かで快適な走行を重視したい
年間走行距離が長いほど、燃料代の差が大きくなります。
ガソリン車がおすすめの人
次のような方はガソリン車の方が経済的です。
- 初期費用を抑えたい
- 年間走行距離が少ない
- 充電設備がない
- 長距離旅行が多い
- 中古車を購入したい
実はハイブリッド車が一番お得?
近年では、
- トヨタ プリウス
- ヤリスクロス ハイブリッド
- カローラ ハイブリッド
などは30km/L前後という高い燃費性能を誇ります。
さらに、
- 購入価格はEVより安い
- 維持費も安い
- リセールバリューも高い
という特徴があり、10年間の総コストではハイブリッド車が最も優秀になるケースも少なくありません。
まとめ
「EVは維持費が安い」というのは事実です。
しかし、車選びで本当に重要なのは、維持費だけではありません。
考えるべきなのは、
- 購入価格
- 燃料・充電費
- 税金
- メンテナンス費
- 売却価格
これらをすべて含めた10年間の総コストです。
年間走行距離が1万km程度であれば、現時点ではガソリン車やハイブリッド車の方がトータルコストを抑えられるケースが多く見られます。
一方、年間2万km以上走行し、自宅で安価に充電できる環境がある方であれば、EVのメリットが大きくなります。
車選びで後悔しないためにも、「燃料代」だけではなく、「10年間でいくらかかるのか」という視点で比較してみてはいかがでしょうか。

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